なんでも音楽レビュー

音楽好きの凡人。アルバムの総評と1曲ごとの感想をメインに書いています。多くの曲を聴いたり書いたりして、隠れた名曲を発掘したい。「ここのメロディ良い!」とか「有名だけど私的には...」みたいな感想をメインに書くので、読んでくれた人が新たに良曲と出会ったり、少しでも共感してくれたら嬉しいなと思います。

【アルバムレビュー】QueenⅡ

【作品概要】

・タイトル:Queen

・アーティスト:Queen   

・リリース年:1974年     

・収録曲:11曲/40:42

 

【総評】★★★★★

 1974年に発売されたQueen2枚目のアルバムです。

 アナログレコードでいうA面にブライアンを中心に作られた楽曲が並び、B面にはフレディが作った曲が並びます。A面には総じて穏やかで気品ある曲が多くホワイトサイドと呼ばれるのに対し、B面はダークでプログレ風味な曲で占められ、ブラックサイドと呼ばれているのが特徴ですね。

 白黒両方素晴らしい本作ですが、聴きどころはブラックサイドの部分ですね。ほとんどの曲が繋がっており、組曲といった趣となっています。激しいロックサウンドの中に美しさが共存する凄まじい音世界に圧倒されます。

 

【各曲レビュー】

1:Procession/★★★★★

ドクンドクンという鼓動のような音からギターサウンドに繫がる1分強のインスト曲。本作の序章といった感じで、既に荘厳な雰囲気が漂っており、聴いているこちらまで緊張してきます。

 

2:Father to Son/★★★★☆

1から間髪入れずに本曲へ繋がります。間奏までの間に聴けるフレディの歌声がとにかく美しいです。クリアで気品漂うといった感じで思わず聴き惚れます。その後はヘヴィな間奏パートを挟み、サビのコーラスを繰り返して3へ繋がります。

 

3:White Queen (As It Began)/★★★★★

バラード曲。相変わらず美しいフレディのボーカルや物悲しい旋律で弾かれるアコギにより、全体的に儚い雰囲気が漂ってます。穏やかな曲展開ですが、間奏のギターソロからフレディがサビのメロディーを激情的に歌い上げるパートがドラマチックで何回聴いても鳥肌が立ちます。

 

4:Some Day One Day/★★★★☆

イントロのアコギが印象的な1曲です。ブライアンの歌声や常時シャラシャラと鳴っているアコギなど、終始優し気な雰囲気です。1~3まで緊張感がある楽曲が続きましたが、穏やかなこの曲で一息つけるので、曲順的にもベストじゃないでしょうか。

 

5:Loser in the End/★★☆☆☆

ロジャーのハスキーボイスが印象的な1曲。重ためのサウンドで結構ヘヴィな感じです。悪くはないけど、冗長な感じで個人的にはいまいちかな。

 

6:Ogre Battle/★★★★★

ブラックサイドの1曲目。ヘヴィなギターリフから鋭い高音コーラスになだれ込むイントロが強烈で、一気に引き込まれます。本作で最も激しい曲で、ヘヴィかつスピード感ある演奏に加えフレディの勇ましい歌唱も魅力的です。歌詞が人食い鬼との闘いをテーマにしているためか、間奏では断末魔の叫びのような声が入っていて、世界観を表す手法としても良いですね。個人的には、間奏明けの「Ogre men are going home~」からの歌メロが高揚感があって好きです。

 

7:The Fairy Feller's Master-Stroke/★★★★★

御伽話や寓話を連想させるのような独特な雰囲気が漂っています。フレディのボーカルも女性みたいだったり、子供みたいだったり、語り手のようだったりと様々声を使い分けており、まさに変幻自在です。曲自体は3分に満たない長さですが世界観は濃厚で、たっぷりと浸れるのが良いですね。

 

8:Nevermore/★★★★★

ピアノとボーカルを中心とした1分半程度のバラード。シンプルに美しいピアノの旋律や歌唱を聞かせてくれる良曲です。6、7と緊張感ある曲が続いてきましたが、この曲で一旦休憩といった感じです。

 

9:The March of the Black Queen/★★★★★

複雑怪奇な曲構成を持つを6分半の大曲。Queenが当時持っていた力を最大限結集して作られた力作です。まず凄い点として、長い曲にも関わらず同じメロディーの繰り返しが殆ど無い点です。演奏ボーカル共に惜しげもなく良メロを使い捨てながら展開しつつ、曲としての統一感もきちんと保たれています。様々な要素がありますが、冒頭の不穏な空気が漂うピアノ、中盤フレディとロジャーが交互にリードボーカルをとるパート、後半終わりと見せかけてキュイーンとギターが入り込み疾走パートがスタートする場面などが印象深いですね。

 

10:Funny How Love is/★★★☆☆

同じメロディーの繰り返しのみで作られた曲。単体で聴くとイマイチですが、前後の曲の繋ぎとしての役割を果たしています。アルバム全体で見れば必要な曲といった感じです。

 

11:Seven Seas of Rhye/★★★★★

イントロの流麗なピアノが印象的な本作唯一のポップソング。爽やかで明るい良曲といった感じで、ラストナンバーにピッタリです。サビの後半から徐々に音程が上がっていくパートが良いですね。

 

作詞作曲:Freddie Mercury 1974年Queen Ⅱ収録のOgre Battleより歌詞を引用