【作品概要】
・タイトル:Queen(邦題:戦慄の王女)
・アーティスト:Queen
・リリース年:1973年
・収録曲:10曲/39:09
【総評】★★★★☆
1973年にリリースされた記念すべきQueenの1stアルバムです。
この頃から初期Queenらしさ全開でギターやコーラスの多重録音、やや細いが中世的で美しいフレディのボーカルなど煌びやかな部分が堪能できます。1作目ですが3.5を中心に構成が練られた曲が多い印象です。
ただトータルとしては前半のクオリティが高い反面、後半が失速気味なのが惜しい点ですね。
【各曲レビュー】
1:Keep yourself Alive/★★★★★
とにかくギターが格好良い曲ですね(特に冒頭)。ドラムやボーカルとの絡みも素晴らしいです。歌メロも派手ではないんですが、サビに向けて徐々に熱を帯びていく感じが好きです。
2:Doing All Right/★★★☆☆
しっとりしたバラードと思いきや、突然激しいギターから疾走パートに変貌するのが印象的です。展開としてはバラード→疾走→バラード→疾走となっていて、新鮮に感じました。2度目の疾走パートは、いきなり音量が大きくなるので結構ビビります。
3:Great King Rat/★★★★★
朗々と語り上げるようなボーカルが印象的な名曲。演奏面ではドラムが躍動しており、スネアのみで細かくリズムを刻んだり、ブレイク、エンディングのソロなどで強烈なインパクトを残しています。
4:My Fairy King/★★★★☆
フレディの中世的な美声にロジャーの超高音コーラスが重なる強烈な一曲。全体的に漂ってくる煌びやかさはQueen以外ではまず聴けないですね。
5:Liar/★★★★★
構成美が光る本作一番のハイライト曲。イントロで聞けるハイハットの音使いや刻み、様々な声色を使い分ける魔性のボーカル、ドラマチックなエンディングなど聴きどころ満載です。6分半という長尺曲でありながら、全く無駄がありません。
6:The Night Comes Down/★★★☆☆
アコースティックギターを使った不穏な出だしから綺麗なエレキギターに移行するイントロが気に入っています。終始穏やかな雰囲気があり、美しいコーラスを堪能できます。
7:Modern Times Rock'n'Roll/★★★☆☆
ロジャーが歌う、本作で一番テンポが速い曲ですが、歌メロが単調で個人的にはいまいちかな...途中のギターソロは、疾走感があって結構好きです。
8:Son and Daughter/★★★★☆
一言で表せばヘヴィでベースラインが格好良い隠れた名曲です。初見だと歌メロやギターの印象が薄くパッとしない印象でしたが、ベースの音を追いながら通しで聞いてみたら結構はまるのでお勧めです。
9:Jesus/★★★☆☆
サビのコーラスが凄まじい一曲。何重にも声が重ねられているため、迫力があり聴き応え十分です。ただ間奏部が単調すぎる印象...もう少し作りこんで欲しかったですね。
10:Seven Seas of Rhye.../★★★☆☆
ピアノが印象的な1分程度のインスト曲。可もなく不可もなくといった感じです。