なんでも音楽レビュー

音楽好きの凡人。アルバムの総評と1曲ごとの感想をメインに書いています。多くの曲を聴いたり書いたりして、隠れた名曲を発掘したい。「ここのメロディ良い!」とか「有名だけど私的には...」みたいな感想をメインに書くので、読んでくれた人が新たに良曲と出会ったり、少しでも共感してくれたら嬉しいなと思います。

QUEEN + ADAM LAMBERT -THE RHAPSODY TOUR- LIVEレポート

【LIVEデータ】 

・タイトル:QUEEN + ADAM LAMBERT -THE RHAPSODY TOUR-

・日時:2024年2月10日(土)19:00 札幌ドーム 

・アーティスト:QUEEN + ADAM LAMBERT 

 

【セットリスト】

   1.Machines(intro)  

 2.Radio Ga Ga

 3.Hammer to Fall  

 4.Fat Bottomed Girls

    5.Another One Bites The Dust

    6.I'm In Love With My Car 

    7.Bicycle Race

    8.I Was Born To Love You 

    9.I Want It All

  10.Love of My Life 

  11.Teo Teorriatte 

  12.Drum Solo 

  13.Under Pressure

  14.Tie Your Mother Down 

  15.Crazy Little Thing Called Love

  16.You Take My Breath Away(intro) 

  17.Who Wants to Live Forever

  18.Guitar Solo 

  19.Is This the World We Created...? 

  20.A Kind of Magic 

  21.Don't Stop Me Now 

  22.Somebody to Love  

  23.The Show Must Go On 

  24.Bohemian Rhapsody

 アンコール

  25.Freddie's Ay-Oh 

  26.We Will Rock You 

  27.Radio Ga Ga

  28.We Are the Champions 

  29.God Save The Queen

 

【総括】

 遅くなりましたが、GLAYに続き、QUEEN + ADAM LAMBERTのライブについても書いていきます。

 いやー凄まじいライブでしたね。まずライブが始まって最初に感じたのは、バンドサウンドのデカさです。上手く表現できないんですが、ロジャーのドラムとブライアンのギターリフが共にパワフルで、それらが一体となって襲ってくるような感じでした。それでいてギターソロになると、レッドスペシャル独特の抜けの良い綺麗なサウンドを奏でていたのが印象的でした。

 そしてさらに凄かったのは、アダムのボーカルです。フレディと比較して綺麗な声質で、あまりロックという印象では無いんですよね。ただ爆音のサウンドを遥かに上回る声量を誇っていて、「こんな凄い人がいるんだな...」と思わず圧倒されまた。特に高音で無理をしている感がなく、声量を保ったままナチュラルに伸びていくのが凄かったです。しかもまだ余力がありそうな感じで、7.8割の力で歌っていたような気もするんですよね。冗談抜きにもっと狭い会場であれば、マイク無しでもいけるんじゃないでしょうか。

 そして前述の点を踏まえて、コーラスを含めたメンバー3人の音の主張が強いのに、演奏としての纏まりが尋常じゃなかったです。爆音の中でも各の存在感があって、聴いててどの音に集中しようか迷うぐらいでした。これだけ広い会場でそんな芸当ができるとは...マジでヤバかったです。これが50年間世界各地を回って、プレイし続けたライブバンドの凄みなんでしょうか...(上から目線になってしまい、すいません泣)

 

 そして僕的には、いままで過去の映像の中で見たものを、現実で味わえたのが嬉しかったです。Radio Ga GaやBohemian Rhapsodyなどライブならではの演出や振り付け、Love of My LifeやWe Are the Championsなど定番の大合唱を味わうたびに幸せを噛みしめていました。メンバーの人柄も良く、MCやソロなども本当に楽しかったです。ただその反面、ライブが終わった後の喪失感も大きかったですね...しばらくは、Queenの作品を聴いて、寂しさを紛らわすような生活が続きそうです。

 

【レポート】

 定刻の19時になり暗転、SEと共にステージ前方にスモークが漂い始め、緊張感が漂いますが、中々メンバーが姿を見せず...この時、僕はライト側後方席で見守っていたのですが、しばらくすると写真右下に移っている舞台袖に続く通路を、3台の車が静かに通っていくのを発見。周囲の観客も同じく気づいて「あれに乗ってるんじゃないか!」とザワザワ。実際どうだったかは分かりませんが、角度的に特定の場所に座っていた人たちのみが気づいて、ドキドキしていたと思います。

 何はともあれ、19時15分にスタート。近未来的な雰囲気を持つMachinesのイントロから直接Radio Ga Gaへ突入。サビでは、アダムがMVでお馴染みの拳を突き出すアクションを披露。ブライアンもギターから手を放し、両手を掲げていました。繰り返しMVを見ていた僕としては、感慨深かったですね。Radio Ga Gaを2番で切り上げ、すかさずHammer to FallQueenを代表するロックナンバーが披露され、早くも会場のボルテージが高まります。アダムのボーカルも声量音域共に桁外れで、フレディがキーを下げていたCメロ部分も楽々歌いこなしていました。

 つづいて、Fat Bottomed Girls。出だしがアカペラで、ロジャーとブライアンもコーラスをとるため、迫力が倍増wwwこんな分厚いコーラスをライブでできるのは、Queenぐらいじゃないでしょうか。曲が終わると、ロジャーが軽めのドラムソロを披露。Fun Itを彷彿とさせるリズムにパーカッションを随所に取り入れた感じで、何となく良いなと思っていると、そのままAnother One Bites The Dustになだれこみ、一息つきます。

 そしてスクリーンにロジャーが大きく映し出され、I'm In Love With My Car。音源通り、ロジャーがドラムを叩きながら、メインボーカルを務めます。さすがにキーを下げていましたが、独特のしゃがれ声は健在でした。

 会場が暗転して、Bicycle Race。いつの間に用意したのか、ステージ前方にきらきらと光り輝くバイクが...アダムがそれに跨り、回転しながら、時折「チャリン、チャリン」とベルを鳴らしていたのが、面白かったです。こういうおふざけが、Queenらしい演出ですね。次は、日本ではお馴染みのI Was Born To Love You。重厚なロックナンバーが続いていたので、この曲が持つ軽快さが心地よかったです。途中で、ブライアンが小走りでステージ前方に走ってきて、ギターソロを披露。弾いている時の立ち姿が絵になるような感じで、格好良かったです。そこから再び骨太なロックナンバーのI Want It All。ここでの主役は楽器隊の2人。ヘヴィなギターリフとずっしりと響くドラムのコンビが曲を完全に支配していました。また2番が終わった後、一瞬だけブライアンがボーカルをとるパートがあるのですが、原曲通りやってくれました。35年前と変わらない、優しげな澄んだ声が胸にしみましたね。

 ここでブライアンがアコギを手に前方へ進み、日本語で挨拶。(なぜか途中で、ホンコンという単語が混ざっていたのはご愛敬w)そして、Love of My Lifeへ。ここは、思わず泣きそうになりました。まずイントロの切ないアコギの旋律でウルっときて、そして暗闇の中、ほとんどの観客がスマホライトを照らしているので、光の波が会場を包んでいるような景色にさらに涙腺が...自然と合唱がおこり一体感に浸っていると、途中でフレディが画面上に現れ、現実で見てる演奏と86年ウェンブリーLiveでの歌唱が重なる演出に、ついに泣きました。アダムも凄いけど繊細な表現力という点では、やはりフレディなんだなと思わせてくれるような演出でした。

 続いて、同じくバラードのTeo Teorriatte。静謐なピアノの伴奏から、まずブライアンがボーカルをとります。厳かな雰囲気漂う歌声に、思わずフレディが歌う音源が頭に浮かびました。日本語パートは、待ってましたとばかりに合唱がおこり、2番終了後から今度はアダムがボーカルをとります。静かな進行から、一転してドラマチックになるのがこの曲の特徴なんですが、アダムの力強い歌声がピッタリでしたね。曲が終わると完全に暗転し、一旦小休止

 明かりがつくとドラムセットが前方に配置され、スクリーンに若い頃のロジャー(77年頃?)のドラムソロが映し出されます。それが終わるとセットに座ったロジャーの姿が。年を取ったなあと思っていると、ロジャー本人も同じことを考えていたのか、苦笑いしていました。それでも年齢を感じさせない、パワフルなDrum Soloを披露し、そのままUnder Pressureへ。フレディパートをアダム、ボウイパートをロジャーが歌っていました。ここから、Tie Your Mother DownCrazy Little Thing Called Loveとライブでお馴染みのナンバーが続き、再び小休止。

 そして、You Take My Breath Awayのコーラス部分のSEが流れ、Who Wants to Live Forever。後半のドラマチックなパートはいかにもアダム向きといった感じで、オペラのような伸びのある歌声が圧巻でした。そしてブライアンのみがステージに残り、星座が散りばめられた宇宙を思わせる背景を背にGuitar Soloがスタート。こういったソロ系は、あんまり楽しめないパターンも往々にしてありますが、そこはブライアン。Brighton Rock、Bijoの他、遠き山に日は落ちてのを思わせるメロディが登場し、終始「あれっぽいなー」など考えながら、楽しめました。そしてアダムとブライアンが前方に現れ、Is This the World We Created...?をアコギとボーカルのみ演奏し、三度目の小休止。

 ややまったりとした中盤を終え、ここから終盤に向けてエンジンがかかり始めます。まずはA Kind of Magic。クールな曲ですが、結構盛り上がっていました。スクリーンには、MVに登場するアニメ絵のキャラクターが登場。MVで好き放題暴れていた印象のあるキャラですが、個人的に愛嬌があって好きだったので、視覚的にも楽しめました。そして昨年の紅白でも披露されたDon't Stop Me Now。もう何度も聞いている曲なんですが、ギターソロからラストサビまでの駆け抜けていく感じが良いですね。この曲が持つ疾走感は別格で、聴いていて気持ち良かったです。そしてこちらもライブでは定番のSomebody to Love。個人的に聴きたかった曲だったので、アダムの歌いだしを聞いた瞬間、嬉しくなりました。コーラスワークが複雑な音源と比較して、ライブではアダムのボーカル一本でぐいぐい引っ張るような感じで、迫力がありました。そして中盤の「find me somebody to love...」の部分は会場中で合唱が起こり、観客とアダムの掛け合いみたいな感じになっていて、僕も歌いながら興奮しましたね。

 つづいてThe Show Must Go On。諸事情によりオリジナルのQueenでライブが行われることは無かった曲ですが、こうして生で聴けるとは...レッドスペシャルの迸るようなギターソロから、Cメロへの流れが凄まじかったです。重々しい雰囲気を持つ原曲ですが、アダムのパワフルなボーカルにより、やや明るい印象を受けました。そして怒涛のラッシュを締めるのは、Bohemian Rhapsody。オリジナルのライブとは、異なりイントロのアカペラ部分では、アダムも歌っていましたね。バラードパート終盤で、ブライアンが前方に出てきてギターソロを披露するのですが、相変わらずの情感たっぷりの美しいソロでした。そして、オペラパートでMVの画像が流れ、爆薬の演出の後、クライマックスへ。この辺りはあまりの格好良さに、口をぽかんと開けて見守っていたと思います。この曲で一旦本編は終了。

 アンコールでは、フレディがスクリーンに登場し、Ay-Ohと観客を煽るパフォーマンスを披露。ここでも大歓声が湧きます。終わった後、「f〇ck you」と言い捨てて、くるっとターンして消えていったのには笑いました。次はWe Will Rock Youあの有名なドドチャのリズムが聴こえて、どよめきがおこります。アダムがサビでSingingと煽り、大歓声のコーラスで応える観客たち...その勢いのまま2番で切り上げていたRadio Ga Gaに雪崩れ込みます。スクリーンでは、アルバム世界に捧ぐのジャケットに登場するロボット君がサビで手拍子しているのが、可愛かったです。

 そしてWe Are the Champions。過去のライブ映像を観るたびに、凄いなとは思っていたんですけど、生で感じた熱気や一体感は想像以上でしたね。ラストサビでの大合唱は、感無量でした。そして最後の締めとなるGod Save The QueenQueenのライブのラストにかかる曲で、これが流れれば本当に終了といった感じですね。最後はメンバー全員が前方にやってきて、肩を組んで一礼。笑顔のロジャーとブライアンが何度も振り返りながら、去っていったのが印象的でした。

 いやー楽しさに加え、全編通して圧倒されっぱなしのライブでした。年齢的に最後になるかもしれなと言われていたライブだったので、こうして生で見れて本当に良かったです。できれば次回の来日があることを祈りつつ、本記事を終わりたいと思います。ここまで読んでいただいた方、ありがとうございます。正直、語彙力文章力が足りず読みにくかったかもしれませんが、少しでもライブの様子が伝わっていれば幸いです。

 

前回記事

nanndemoreview31.hatenablog.com

 

・作詞作曲:Freddie Mercury 1976年A Day at the Races収録のSomebody to Loveより歌詞を引用