なんでも音楽レビュー

音楽好きの凡人。アルバムの総評と1曲ごとの感想をメインに書いています。多くの曲を聴いたり書いたりして、隠れた名曲を発掘したい。「ここのメロディ良い!」とか「有名だけど私的には...」みたいな感想をメインに書くので、読んでくれた人が新たに良曲と出会ったり、少しでも共感してくれたら嬉しいなと思います。

GOD SAVE THE QUEEN JAPAN TOUR LIVEレポート前編

【LIVEデータ】 

・タイトル:GOD SAVE THE QUEEN JAPAN TOUR

・日時:2024年5月3日(金) SENDAI GIGS

・アーティスト:God Save The Queen(18:00~)

 

【セットリスト】

   1.One Vision

   2.Tie Your Mother Down

   3.Hammer to Fall

 4.In the Lap of the Gods... Revisited

    5.Seven Seas of Rhye

    6.Keep Yourself Alive

    7.Under Pressure     

    8.A Kind of Magic

    9.teo toriatte

  10.Another One Bites the Dust

  11.Who Wants to Live Forever

  12.Nevermore

  13.You're My Best Friend

  14.Killer Queen

  15.Bicycle Race

  16.Somebody to Love 

  17.Love of My Life

  18.Last Horizon~Guitar Solo

  19.Living on My Own

  20.I Was Born to Love You

  21.Crazy Little Thing Called Love

  22.Radio Ga Ga

  23.I Want It All

  24.Bohemian Rhapsody

 アンコール1

  25.I Want to Break Free

  26.We Will Rock You

  27.We Are the Champions

  28.God Save The Queen

    アンコール2

  29.Don't Stop Me Now

     アンコール3

  30.We Will Rock You(Fast)

 

【はじめに】

 前回記事に書いたとおり、GOD SAVE THE QUEENのライブに行ってきました。アダム・ランバートが歌う本家Queenとは違った良さがあって、とても楽しめました。早速本題に入りますが、その前にいくつか補足させてください。

 まずメンバー名について。知らない方のほうが多いと思うので、ここに対応表を載せておきます。今後呼び名は、赤字部分を使うので、適宜ご確認ください。

Pablo Padin(パブロパディン)/ボーカル → フレディ・マーキュリー

Daniel Marcos(ダニエル・マルコス)/ギター → ブライアン・メイ

Matias Albornoz(マティアス・アルボルノス)/ドラム → ロジャー・テイラー

Ezequiel Tibaldo(エセキエル・ティバルド)/ベース → ジョン・ディーコン

 次にセトリです。今回のライブ、かなりテンポが良くて、むしろ良すぎるあまり、曲順に関する記憶に自信がありません泣。また、ネット上で日本公演のセトリを調べたのですが、載っていなかったため、本記事では同年の海外公演を参考にしています。そのため、間違っている可能性が高い点をご承知ください。

 

【総括】

①会場・演出

 会場のSENDAI GIGSは初めてでしたが、室内の薄暗さやワンドリンク制度など如何にもライブハウスといった趣でした。嬉しかったのが、パイプ椅子が設置されていた点。個人的には、立ちっぱなしより、適宜座れたほうがありがたいです。そして座席は前から10列目で、メンバーの動きや表情がしっかり見えそうな位置でした。後述しますが、God Save the Queenというトリビュートバンドの性質上、凄く良いポジションで楽しむことが出来ました。

 また演出については、スクリーンや火薬等の派手な装置は無く、照明のみでしたね。ただ個人的には、中期Queenのライブ会場を意識した照明だと感じました。

具体的には、上記QUEEN LIVE KILLERSのジャケットの雰囲気が一番近いかな。確か79~85年頃のライブだと、このようなシンプルで鮮やかな照明が多く、演出の面でもリスペクトが感じられます。今回、僕が感動した点の一つで、本物のQueenを見ているように錯覚させる、良い演出だったと思います。

②メンバー

 次にメンバーについて。これは前評判通り、滅茶苦茶似ていました。特にボーカルのパブロが、そのまんまフレディでした。マイクの扱い方や、観客への煽り、メンバーとの絡み等、そっくりすぎて、公演中視線を釘付けにされましたね。さすが、世界一のトリビュートバンドと評価されてるだけのことはあります。

 2人目にギターのダニエル。元々、体格や顔立ちが似ていますが、何よりもギターサウンドの完成度が高いです。所々演奏が雑になってしまう点が惜しいですが、サウンド面を支えているのは、間違いなく彼ですね。また歌唱の面では、声量と声域はバンド内でもトップクラスだと思います。ロジャー特有のきついコーラスも、しっかり引き受けていて、まさに縁の下の力持ちと呼べる活躍でした。(あと意外なことに、素の声はあまり似てなかったかな...)

 3人目にドラムのマティアス。ロジャーのようなパワフルさは無いものの、安定感あるドラミングを披露してました。シンバルの連打や、必死にコーラスをとる姿が、格好良かったです。また歌については、声量と声域自体は特別凄いわけじゃなかったです。(もちろん凄いんですけど、他2人が化け物すぎて...)ただ器用なタイプなのか、ブライアン寄りの優しい声や、ロジャー寄りのしゃがれ声など、使い分けていたのが印象的でした。

 最後にベースのエセキエル。正直、ライブだと目立つポジションではなかったですね。ただ裏を返せば、ジョンをとても忠実に再現していたと思います。絶えず体を左右に振るアクションは、地味なんですけどそっくりでした。ただ公演中、2回程見せ場があり、それを楽しめたので、とても良かったです。

③セトリ

 セトリで最も意識していたのは、86年のウェンブリーライブだと思います。特に前半のセトリがそうで、1.One Visionやメドレー形式の4.In the Gods...Revisite~5.Seven Seas of Rhye、8.A Kind of Magic、11.Who Wants to Live Foreverなんかが顕著だと思います。

もう1つ、衣装も オープニングから前半まで、上記ウェンブリーライブを彷彿とさせる黄色いジャケットを着ていたので、特にその印象が強まりました。

 それと1981年のモントリオール公演を思わせるパフォーマンスも多かったと思います。後述しますが、16.Somebody to Loveが特に顕著でしたね。後半では、衣装が変わっていて、白いタンクトップを着ていたので、これもモントリオールのオマージュだったのかな...(白衣装はよくあるので、さすがにこじ付けすぎか...)

 おそらく上記を軸に、定番曲やレア曲を肉付けして、セトリが組まれたんじゃないでしょうか。個人的には、今春のQUEEN + ADAM LAMBERTツアーで演らなかった14.Killer Queenや、全く予想していなかった12.Nevermore、19.Living on My Ownが聴けたのが嬉しかったです。

④パフォーマンス

 本家はライブアレンジが多彩なうえに、メンバーが細かく楽器を変えたり、コーラスをとったりとやることが多いバンドです。その点もしっかり再現されていて、ほぼ同じような役割をこなしつつ、安定した演奏とコーラスを披露していました。僕もライブ映像はかなり観ている自負がありますが、本家と比較してもクオリティーは相当高いと思います。

 あと僕的には、どのようなアレンジがくるのか、楽しみながら見れました。オリジナル通りだったり、色々な年代のアレンジが混在していたりと、そういう意味では、結構マニア向けのバンドとも言えますね。(この辺は、細かくなってしまうのでレポートで書きます。)

⑤最後に

 全体を通して凄いライブだったと思います。とにかくテンポが良く、MCを排す、メドレー形式を取り入れるなど、中弛みさせない構成も見事で、合計2時間たっぷり楽しめました。また演奏に特化したシンプルなライブ構成もあってか、チケット代が9,000円と海外アーティストにしては安かった点も評価できると思います。もし、Queenファンで行こうか迷っている人がいたら、絶対に行くべきと断言できるようなライブでした。

 

【レポート】

 青いライトに照らされるステージをしばし眺めていると、定刻18時にIt's A Beautiful Dayを思わせる幻想的なSEが流れ、会場が期待感に包まれます。やがてSEがストリングスのイントロに変わり、One Visionでライブがスタート。大歓声の中、ボーカルのパブロがステージ上を駆け回ります。そして間髪入れずにTie Your Mother Down。天高く突き上げた拳、ピンと伸びた背筋、マイクスタンドを抱えて走る姿等、前曲に引き続き、パブロのパフォーマンスがフレディにそっくり!正直、そこまで好きな曲じゃないけと思わずノッてしまう、不思議な求心力がありました。

 次は、Hammer to Fall。ここまで3曲連続で勢いのある曲が叩きこまれ、早くも会場のボルテージか急上昇。ただ少し冷静になってくると少し気になる点も...ややボーカルが楽器隊の音圧に負けてしまっている点が心配。しかしながら、会場の雰囲気をもっていくパフォーマンスは圧巻で、掴みは完璧だったと思います。

 4曲目は、バラードIn the Lap of the Gods... Revisited。これは、86年ウェンブリーライブの完コピといった感じで、Aメロのファルセットと地声の使い分けが絶妙でした。このへんから、パブロの調子が良くなってきましたね。他バンドのライブでも、初っ端にギターが強い曲を演ると、喉が温まってないボーカルがサウンドに負けがちなんですよね。そして歌がメインとなるバラードをきっかけに調子が上がっていくのは、結構あるあるですね。

 5曲目は、Seven Seas of Rhye。爽やかな曲がきました。凄かったのは、ギターソロ前の超高音パートをパブロがそのまま出していたんですよね。あれを歌えるとは、恐れ入りました。そして、パブロがタンバリンを持ち、Keep Yourself Aliveに続きます。音源よりも早いテンポでの演奏がGood。7曲目は、Under Pressure。ドラムのマティアスが叩いているパーカッションが独特で、「カッ」と甲高い音を響かせていたのが印象的でした。また、この曲も中間で超高音のパートが入っていますが、今度はギターのダニエルが原キーで歌っていました。ロジャー並のコーラスが、複数いるのが凄いですね。

 そして後期の代表曲A Kind of Magicから一転してダークなバラードteo toriatte。本家のライブでもそうでしたが、この曲が持つマイナー調の暗くて美しい響きは、特筆に値します。また、ドラマチックなCメロを崩さずにパワフルに歌ってくれたのが、嬉しかったです。本ブログで何回か書いてるんですけど、あそこのパートが大好きなので、オリジナルに近い歌い方を聴けて本当に良かったです。

 パブロが衣装変え(白タンクトップ+白帽子(ウサギ耳付き))をしてから、中期の名曲Another One Bites the Dust。この曲で目を惹いたのは、ベースのエセキエルです。ここまでステージ後方で、足でリズムを取ったり、体を微かに揺らしたりといった動きのみでした。ですが、すかさず前方に進んで、体を左右に大きく振りながらイントロを弾き始めたんですよね。冷静に考えると大した動きでは無いんですけど、如何にもジョンのパフォーマンスといった感じで、良かったです。

 ここでダニエルが一旦エレキを置き、キーボードの前にスタンバイし、幻想的なWho Wants to Live Foreverのイントロが流れはじめます。見せ場はCメロからで、パブロがオペラのような響きのある声で朗々と歌い上げ、そのままサビへ。ここもウエンブリーと同じアレンジですね。僕は、音源よりもこっちのアレンジのほうが断然好きなので、ここでも大歓喜。最後はコーラスを従えながらの大合唱で締めくくり。いやー最高。

 ここで、パブロがピアノに座り、他のメンバーが一旦休憩のために退いていきます。ピアノオンリーの曲と言えばなんだっけと思っていると、まさかのNevermore。これが生で聴けるとは...どんでもないレア曲がきましたね...パブロがピアノを弾きながら、瑞々しい美声を披露。しかし、どの年代の声も再現できるのが凄いですね。

 

 このあたりで閑話休題して... すいません、調子に乗って書き進めていたら5000字を超えており、少し疲れてきました泣。予想以上の文章量になってしまったので、以降は後編記事として後日アップします。もし良ければ、次の記事を読んでみてください。

 

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